「あの審判の心はゴミ箱だ」(ブッフォン)
「あれは絶対にファウルじゃない! 僕は接触を避けようとしていたんだ。リプレイでも確認したけれど、まずルーカス・バスケスがボールを胸でコントロールして、彼を倒さないようわざわざ回り込んで左足でクリアしたんだ。彼は倒れにしかいっていなかった。ひざが当たったのかもしれないけれど、でも最後の1分であんな笛を吹くなんてありえないよ」
現地時間11日に行われたチャンピオンズリーグ(CL)準々決勝レアル・マドリー対ユベントスの2ndレグも後半アディショナルタイムに突入した93分、クリスティアーノ・ロナウドが打点の高いヘディングでボールをゴールの目の前に落とし、L・バスケスが反応。
これにユベントスDFメディ・ベナティアが後ろから対応した。その結果L・バスケスが倒れ、ベナティアはファウルを取られてPKを献上してしまう。冒頭の談話は、その彼がイタリアの地元メディアに訴えた言い分である。
ユーベ側は大激怒だ。アンドレア・アニェッリ会長はUEFAにVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー=ビデオ判定)の導入を訴え、マッシミリアーノ・アッレグリ監督は記者会見で「ウチは(1stレグのアディショナルタイムで)ファン・クアドラードへのファウルが見逃されたというのに」とボヤく。
抗議で退場となったジャンルイジ・ブッフォンに至っては、「あんな微妙なシーンをファウルにするなんて、落ち着きが保てなければ審判なんかやらないで欲しい。あの審判の中にあるのは心ではなくゴミ箱」などと、マイケル・オリバー主審を激しく非難していた。
ただベナティアの反応が遅く、L・バスケスに背後からいく形になったのは確か。決定機阻止にもなりうるし、べナティアの言う通りだとしてもPKを取られても仕方ないようにも見えた。
判定に騒ぎ立てるイタリアメディアの中でも見解が別れており、『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙のように「明確なファウルでなければ取ってはならず、ベナティアのそれは微妙」というところもあれば、「PKの判定やむなし」としているところもある。いずれにせよ熱戦の結末が、判定絡みの論争で終わるのは残念なことである。